FRBの強いインフレ退治姿勢をあらためて見せられたことで、株は軟調に推移している。

SP500で見ても年初来安値を窺う勢いです。

今年6月も同じくFRBのタカ派姿勢を見せたことで株が軟調に推移しましたが、今と同じくらいの水準で切り返しています。

ので、一定の値頃感から今の水準でも買っていいのかな?と思たりしますが、個人的にはまだ下がると思っています。

Fedの引き締めがあまり効いていないのがそもそもの要因

現状をざっくり整理すると、

Fedがタカ派姿勢になっていることは、高いインフレに困っているからです。これは周知の事実です。

そこで、過去例のないスピード(毎会合75bp)で利上げを行なっているわけですが、これがあまり効いていません。

なぜなら、リーマンショック以降からのQEによって、市中へのマネーサプライは潤沢に溢れているからです。

こちらも過去例のないスピード感で、市中のマネーを吸い上げていますが、全て吸収するのはどんなに早くても3年はかかります。実際はもっとかかると思います。

今のアメリカでは金利を上げても、借入需要は落ちない

こういった状況で、今現在足元の金利を3.25%まで上げたとしても、資金が溢れている以上、お金を借りたい人は3.25%に近い水準でお金を借りれてしまいます。

資金需要よりも供給量の方が多いので、借入金利は競争により最低まで下げられるのは当たり前です。

一方で、アメリカのインフレ率は8%を超えているわけですから、借り手にとって実質マイナス金利で資金を借りれるわけです。

これではなんの金融引き締めになっていないし、インフレが収まるはずがありません。

景気を後退させて需要を落とす

インフレを落とすには、需要を減退させる必要があります。

今の金融環境だと金利を上げただけでは需要を減退させることができない状況なので、

もはや景気後退を実感させるしか方法はないと思います。

インフレを抑制できないより、一時的に景気後退に陥った方が、総合的なダメージは明らかに少なくすみます。

Fedは景気を顧みず、タカ派姿勢を続ける

FRBが公式に景気後退を良しとはするはずがありませんが、実際はインフレを制御できなくなるリスクと一時期的な景気後退を天秤にかけ、既に後者を選択していると思っています。

今後も、景気に配慮する姿勢を見せつつも、内心では景気後退による需要減退でインフレを抑えるシナリオを想定し、それに沿った行動を行なっていくと考えます。

株価の買いサインは3m-10yのスプレッド

今後明確な景気後退に分るまで、Fedは強気姿勢を続け、株は軟調に推移すると考えています。

Fedは歴史的に景気後退のサインを3ヶ月金利と10年金利のスプレッドで見ています。

つまり、このスプレッドがマイナスになった時は株の買いサインだと個人的には思っています。(今の段階では。)

現状ではこんな推移を辿っています。

3ヶ月金利↑10年金利↓

今後利上げ期待が引き続き高まりつつ、景気後退が視野に入って来れば、

3ヶ月金利は上昇し10年金利は下がっていく展開が予想されます。

今年の年末から来年初あたりかなと思っていますが、今はまだ待ちの時間だと考えています。