昨晩のアメリカ市場は、株が反発、金利は小動き、為替はややドル高で推移した。

ADP雇用統計は予想比上振れた。

明日は雇用統計が控えており、短期的には最大の注目イベント。

雇用統計はよくNFPと言われる雇用者数の増加の数字が注目される。

が、最近は平均時給など賃金関連の数字に注目が集まる。

今年の9月に失業保険の上乗せ分(コロナ対応)が切れて、アメリカの労働市場には求職者が戻ってくると考えられていた。

しかし、デルタ株の蔓延からなのか、長い休暇でアメリカ人の考え方が変わってしまったのか、当初の想定通り労働市場に人は戻ってきていないことが最近のデータで明らかになっている。

一方で、求人数は増えており、企業は思ったほど採用が進んでいない、そのため賃金を上げて採用を強化せざるを得ない状況。

雇用者数は伸びないことで、賃金が上昇しインフレ圧力がかかる。

物価の安定と雇用の最大化の2つを目標としているFRBとしてはなんとも難しい状況だ。

今回の雇用統計でもそのような結果になってしまうと、FRBの政策舵取りは難しくなり、不確実性が増える。

マーケットはこういった不確実性を嫌うので、明日の雇用統計次第で今後短期的な相場の変動性を占えるかもしれない。